発表・野球ものベストナイン 2020

 何と今年は1試合しか生で観戦していない。コロナ禍で観戦自体が非常に面倒くさいものになってしまった事が大きいが、スポーツイベント全般が縮小傾向で魅力を失いつつある。一番腹が立ったのは高野連のチキンっぷりだろうか。大会を中止しても結局都道府県連と各校が独自大会に動いた事を考えるともはや統括組織としての存在意義はないように思う。そんな中で東京六大学リーグや都市対抗が何とか行われた事には当事者の意地やプライドを感じ、救われた思いがした。コロナ禍と関係なくショックだったのが水島新司御大の引退と文化放送の松島茂アナの急逝だろうか。改めてご冥福を祈りたい。

【投手】清水昇 (東京ヤクルトスワローズ)

 贔屓チームの選手が「化ける」という感覚は久しく忘れていた。いわゆる、いつかは「ブレイク」するであろう選手が目論見通りにブレイクするのとは少し違う、もしかしたらダメなんじゃないか?という選手が開花する「嬉しい誤算」的感覚。清水はドラフト1位じゃないかという声もあろうが、ドラフト1位と言ってもヤクルトのそれである。ファンからも酷評され同郷の人間として辛くもあった。それがまさかのタイトルホルダー。何か凄い魔球を会得したわけではない。伸びのあるストレートを低目に正確にコントロールする、投手らしい投手。驚くなかれ、スワローズの投手だ。

【捕手】チャッキー・ロビンソン (キャンベラ・キャバルリー)

 オーストラリアのABLでプレーする黒人選手。1Aや2Aでもプレーしているらしい。だから何なのかと言うと、黒人で「チャッキー・ロビンソン」である。風貌も成績も特に目立ったところはない。しかしYoutubeでの中継を観ていると、彼の打席になるとやたら実況が楽しそうなのだ。「チャッキー・ロビンソン、HAHAHA」みたいな。日本人だったら「長嶋茂世」みたいな感じなんだろうか。彼が死球を受け(自打球だったか?)悶絶した時などは「おお、チャッキー、チャッキー」と心底同情しているようなノリだったが、キャラ的にも愛されているのだろうか。詳しい方いないだろうか。

【一塁手】ロベルト・ラモス (LGツインズ)

 コロナ禍で野球ができない、世界中でスポーツイベントができない状況下で、規模の小さいリーグから何とか開幕しようという動きが起こった。KBOの開幕もそのひとつで、彼らのそうした行動が野球を観れない委員の心を癒してくれたわけだが、この新外国人の打棒は心を癒すどころか度肝を抜くのだった。外野の間を抜きそうだと思われた低い弾道のライナーがスタンドへ。この打球の勢い。1年目のバレンティンを思い出させるギラギラした感じ。観客がいたらどれほど盛り上がったかというサヨナラホームラン。NPBもさっさと開幕しろよ、と羨ましくさえ思った。

【二塁手】該当者なし

【三塁手】渡部健人 (桐蔭横浜大学)

 12球団のドラフト1位交渉権確定選手の中で、日本人離れした体躯と和製大砲候補という希少性でもっとも目立っている。しかし委員が彼に注目するのは、単純に目立つキャラだからというよりは、西武の熟練したドラフト戦術の産物であるという点においてだったりする。早大の早川投手を外すや否や即戦力投手に執着せず、中村剛也や山川穂高とタイプが被るこの巨漢への迅速な方向転換。現有戦力とタイプが被ろうが、多少チームのニーズとずれようがこれぞという選手を獲る、そんな西武が選んだ選手だからこそ注目する。関東から出てこい「おかわり3世」。

【遊撃手】クリスティアン・モレノ (インディオス・デル・ボーエル)

 コロナ禍においてなんとか野球をやろうと努力するリーグの動きが好意的に取り上げられていた最中、ニカラグアの「POMARES2020」は万全の対策をというより「強行」というニュアンスでやや批判的に受け止められていた。そこが中南米のアバウトさか。それを象徴してか屈強ながら小回りの効かなそうな選手たちの中でひときわ細身で小柄な、昔ながらのショートストップがいた。フライを追い、背後から飛んでくる打球を後ろ向きにキャッチ。それ以外にも軽快なフィールディングや勝負強いバッティングを披露。こんな器用な選手がいたのか、と少し中南米マイナー野球を見る目が変わったりした。

【外野手】キム・ギョンホ (SKワイバーンズ)

 LGツインズの先発チョン・チャンホンは凄い速球や変化球で三振の山を築くでもなく九回一死まで2四球のみのノーヒットで抑えていた。大記録まであと2人。こうなると大記録を達成して欲しいのか阻止されて欲しいのか自分でも微妙な感じになってくるのだが、普段弱いチームを応援しているせいか何となく「阻止してくれ~」と、やられそうな方に感情移入している自分に気づく。果たして一番左翼キム・ギョンホの打球は全然爽快感のない地味なゴロで三遊間を抜くのだった。なぜか薄笑いを浮かべるチョン・チャンホン。打ち取った当たりなのに。その消化不良感が表情に表れているようだった。

【外野手】リン・アンクゥ (統一ライオンズ)

 統一ライオンズの四番打者が凄いホームランを2本打った。体も一回り大きく、顔も彫りが深くアジア人離れしている。目立ち、スター性がある。台湾とアルゼンチンの混血らしい。大谷を生んだ日本の野球ファンの感覚からすると、プロ入り前は投手で、投手として東北楽天のテストも受けたという彼が台湾の二刀流スターになるんではないかと意識してしまう。今季はオープン戦で投手として登板したらしいから当事者もそこを意識していそうだ。コロナ禍において世界に先駆け開幕し、野球に飢えた世界のファンからかってないほど注目されたCPBLでの活躍に強運を感じる。漢字では「林安可」。

【外野手】佐藤拓也 (JR東日本)

 高校野球や大学野球の全国大会もやらないコロナ禍にあって東京六大学リーグと都市対抗が行われたというのは正に日本野球の矜持と言えた。もう12月になるのにまだ野球の公式戦をやっている。大会の風物詩であるあの応援風景もないという非日常感。そこに当事者の意地というかプライドを感じながら観る野球は何か非常にありがたいものに思えた。その中でもひときわ劇的だったのがこの佐藤による三菱自動車岡崎戦でのサヨナラ2ラン。もっとも注目されていたのは阪神ドラフト2位のエース伊藤将司だがいきなり被弾。2-2の均衡破れず緊張感ある好ゲーム。すべてが特別な中での歴史に残る一撃。

【指名打者】栗山巧 (埼玉西武ライオンズ)

 ロクな事がなかった今年の野球界にあって委員の正気を保ってくれたのが、主力選手の流出が相次ぎ、今年も秋山を失い攻撃力低下が懸念された埼玉西武のAクラス確保だった。思えば「俺達」が猛威を振るい、親会社が色々大変で野球どころではなく、他球団にいいようにやられ低迷を続けた時期も、この栗山が中軸として、時には主将としてチームを支え、今も変わらず頑張ってくれている。別段今年の栗山が飛びぬけた成績を残したわけではないし、埼玉西武が優勝したわけでもない。しかし地味にしぶといこのチームにはいつも栗山がいる。節目の年にふと彼に礼が言いたくなった次第。

 今年はいくつかの野球場がリニューアルされた筈なのだがコロナ禍で行けなかった。来年はどうかと言うと、状況はあまり変わっていないのだろうが今年の経験を踏まえ、できる事はやって欲しい。甲子園の全国大会は代表枠を少なくして短期間で終えるようにできないだろうか。独立リーグはそんなに大きな野球場でなくとも十分ソーシャルディスタンスを確保して普通に開催できる筈。何を見栄張ってるのかと。また「天然の無観客試合」を実践しているクラブ選手権は普通にやって欲しい。あと九州の独立リーグがスタートするのと、オリンピックは本当にできるんだろうか。

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この記事へのコメント

石原慎太郎が憎い
2020年12月09日 01:20
やはり五輪で日本を余計な大混乱とにさせたのは石原慎太郎の五輪に異常に執着してしまった暴走のせい。あの爺さんが招致を撤退していたらこうはならなかったのに…。やはり行いはちゃんと運も含めて出てくれるモノ。石原慎太郎の五輪招致の行いはやはり間違っていたと言わざるを得ないですよ…。