夕刊フジ提案「日台合体・16球団構想案」に台湾球界から“賛否両論” メリット大きいがネックも

 ソフトバンク・王貞治球団会長が年初にぶち上げた、NPB(日本野球機構)現行12球団から4球団増やす機運は、新型コロナウイルスの影響で立ち消え寸前。そこで4月28日発行の夕刊フジは「16球団構想に『台湾と合体』の裏ワザ」と題した記事で、複数の台湾球団を含めた4地区によるリーグ拡張を提案した。この国境をまたいだ“合体論”は、東シナ海を越えて台湾プロ野球(CPBL)の現役監督やファンの耳目にも触れ、賛否両論を巻き起こしている。(笹森倫)

 台湾紙で最大の発行部数を誇る「自由時報」の2日付電子版は、「日本メディア『夕刊フジ』がこのほど、興味深い提案をした。それは日本と台湾のプロ野球の合併だ」と報じ、CPBLの富邦ガーディアンズの洪一中監督を直撃。本紙の「大胆な合併策」をぶつけている。

 台湾代表を率いて侍ジャパンとも対戦した名将は「両リーグ間の設備面で差が大きいので実現の可能性は低い。おそらく向こう10年は難しい」と否定的な見解。「もしCPBLとNPBが合併できるなら、KBO(韓国プロ野球)とも合併できるだろう」と続けた。

 洪監督は「台湾と日本の一番の差は投手力だ。打撃の差も少しあるが、もし一緒に対戦していけば、お互いの差がだんだん縮まっていくだろう」と分析。同じ土俵で戦うことで、台湾野球のレベルアップにつながる効果は認めている。

(後略)


https://news.yahoo.co.jp/articles/cbdfe914e66e9472c20e5b16dc19bd14324b479c

 本文には台湾の野球ファンの、賛否両論が取り上げられているが、『夕刊フジ』を「メディア」と報じ、マジになってしまう台湾のファンや関係者がなんかいじらしい。

 こういう夢のある話にいちいち突っ込むのは野暮なのだろうが、具体的に何が問題なのかという話を無視するのなら「なら何のための"夢"なのか」とも思う。

 まず楽天が台湾の楽天モンキーズも経営しているのでそれがどうなんだという問題がある。それと本文中に「合併して16球団(12+4)の4地区にすれば台湾の遠征は少なくて済む」とあるがCPBLは来年味全ドラゴンズを加え5球団になる。それに巨人と阪神が別地区になる案に巨人と阪神が同意するとは思えない。

 そもそもCPBLとNPBの球団では体力が違いすぎる。「同じ土俵で戦うことで」だけでは駄目で、同じ土俵で「ドラフトを」続けないといけない。しかし台湾の球団が交渉権を獲得した日本人の選手はどう思うだろうか。NPBと遜色ない契約金や年俸を払えるのか。NPBの日程をこなせる体力があるのか。

 パッと思いついただけでも色々浮かぶ。CPBL側の「メリット」に関しては同意できる部分もあるが、NPB側のメリットがない。

 なんか以前読んだ『球界消滅』(本城雅人)という小説を思い出した。日本の12球団を合併・統合で4球団に減らしMLBに加盟するというプランが、一人の野心家の口車でまんまと実現してしまう。しかし、ネタバレになるが日本の4球団はMLBでまったく勝てず早くも運営が危うくなる。

 幸いCPBLに変な野心家の存在は感じられないが、そういう話が出てくる背景にはCPBLの「小ささ」があるのだと思う。これほど野球熱が高いのに九州とほぼ同じ大きさの島国(地域)。

 だけど台湾自体は小さいが、位置的にはすごく面白い存在ともいえる。沖縄に一応プロの球団が発足し、去年は中国でCNBLがスタート。フィリピンはかってアマチュアでは日本を脅かす存在だった事もあり、2018年アジア大会を開催したインドネシアでははじめて本格的に行われた野球の試合で1,700人収容のスタジアムに満員の観衆が集まり、富裕層を中心に野球の認知度は高まっているらしい。

 最近MLBがロンドンで公式戦を開催し、非常に盛況だったという。それでイギリスに野球が広まるというものではないのだろうが、新しいものを受け付けない土壌と、受け付ける土壌というものがある。これから成長する、成長したがっている、なんでも貪欲に吸収しそうな東南アジア地域に野球を広めやすい位置に台湾がある事は日本から見ると羨ましい(各国との関係については色々あるが、そういうものを越える事を成長という)。

 だから本当はこの小さい島国(地域)に、日本の方を向くよりもアジア野球の新しいハブ機能を果たて欲しいと思っているのだけど…。

球界消滅 (文春文庫) - 本城雅人
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